国民皆保険の義務
会社を退職するときの事務手続きのひとつに健康保険の切り替えがある。退職だけではなく雇用延長など雇用条件が変わる時に発生する場合もあるし、会社だけでなく公官庁や団体でも同じである。
日本の健康保険制度は、国内に住所がある人は年齢や国籍に関係なく必ず何かしらの健康保険に加入しなくてはならないという国民皆保険の義務がある。その受け皿が国民健康保険で市町村が主体となって運営している国民健康保険90%以上がに加入している。
ただし、次のような場合は国民健康保険の加入義務はない。
- 勤務先で健康保険に加入している方とその扶養家族(任意継続含む)
- 船員保険に加入している方とその扶養家族
- 国民健康保険組合に加入している方とその世帯家族
- 75歳以上の方(後期高齢者医療制度の対象者)
- 生活保護を受けている方
在宅ワークの健康保険
在宅ワークを行っている場合はどのような健康保険に入ることができるのだろうか。在宅ワークとは働き方であって、健康保険の加入を義務付けるものではない。在宅ワーク以前にどのような事業体として働いているかということが保険加入の条件になる。
在宅ワークで健康保険に加入する方法
- 自宅の一部を会社事務所として登記し、会社が健康保険に加入
- 健康保険に加入している会社の社員として在宅ワークを行う
- 会社の社員として働きながら副業として在宅ワークを行う
- 派遣会社の社員として働きながら在宅でダブルワークを行う
- 会社を退職後任意継続被保険者となる
- 会社に所属しないで個人事業主として国民健康保険に加入
- 健康保険に加入している家族の被扶養者になる
これらは私が今までに経験した方法であるが他にもあるだろう。生活保護と後期高齢者は経験がないが、病気療養のため働けない時期に生活保護を一時的に受けてはどうかという選択肢を提示されたことはある。
在宅ワーカーは健康保険と健康投資に
私の場合は健康上の理由で在宅ワークを行っている。体調が悪い時には時間を問わずに安静にすることができるからだ。もちろん定期的に通院しているので健康保険のお世話になっている。
国民健康保険に加入してわかったことは、国民皆保険の受け皿になっているだけあって様々な軽減措置がある。国民年金と違って全額免除という制度はないが、収入に応じて減額される。
健康保険料の支払額によって医療の内容が変わるわけではないので、保険として加入していて損はないだろう。損はないというよりも加入したほうがよいし、加入しなければならない。
在宅ワークを行う場合は、健康保険と同じくらいに健康投資が必要である。健康維持、健康管理という言葉はよく聞くが、健康に投資するという考えはあまり聞かない。投資なのでリターンが保証されるわけではないのだが。